2012年11月29日木曜日

月光浴ウォーク

きっと今夜は満月だ、僕にはそう見える。
昨日の月は夜の海に雲もなく冴えざえとした透明な空に
浮かぶ月がきれいだったが、今夜の海は雲の白波がたち、
満月にちがいない丸い月が揺れる波間を縫って顔を覗かせ
地上にゆらゆらと明るく眩しい光を届けてくれる。
僕の家は山の小さな盆地みたいな所で、300m四方はどこも峠になっているせいか、目の前の景色すべてが自分の
庭のような、そこだけで自立した小さな世界のようだ。

最近は毎晩10時頃にハナとキノコを連れて夜の散歩に
出る。
ここ2〜3日はお月様がふくらんできて、懐中電灯なしで
充分に夜道は明るく、白と茶の2匹は白色が月のあかりに
反射し、50mくらい先行っててもどこにいるかがわかる
くらいに明るい。
道に写り込むくっきりとした自分のシルエットもまた、自分
の存在の確かさを教えてくれるようだ。
道中、杉木立に入れば、いきなり漆黒の闇となり懐中電灯
のスイッチを急いで入れることとなるが…そんな時は特に
そこを抜けて夜空を仰げば、目を閉じたくなるくらいに
明るい月が僕のためだけに光りを与えてくれているような、
月明かりを独占している気分になる。
まぁ、こんな時間に山道を散歩しているのはこの辺では
僕くらいしかいないので、ひとりじめ気分は間違っては
いないだろう…。
たまに近くの山や薮の方から、バキバキガサガサとイノシシが走り抜けて行く音が聞こえたりする時「僕と犬だけでは
なかった失礼…」と思うことがあるくらい音もなく、むしろ
「シーン」という無音の音が聞こえるくらいの静けさの中の
月光浴だ。
街路灯の灯りもなく、山や畑や道すべての目に見える世界が、満月の月明かりでブルーに染まる。
まるでお月様から目に見えないくらいの青い灰のような粒が舞い降りてきて全てにお化粧をしているような神秘的な世界がこんな満月の夜には訪れる。
こんな静かな「青い世界」を見せてあげたい…。

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